アラサーOLの犬奴隷日記

犬を養うために働いてます 外資系のおしごと

ドバイにカジノはできるのか

年末、ドバイで休暇を過ごした。

なぜドバイかというと、夫が駐在しているバングラデシュに遊びに行くにあたってドバイが中継地であったのと、2021年10月~2022年3月まで開催されているドバイ万博を是非とも訪れたかったからである。

 

万博は思った以上に楽しかったのでそのことはまた書くとして、今日はタイトルの件について触れたいと思う。

 

ドバイは人口300万人に対し、観光客数が年間1600 万人ほど(コロナ前)の、一大観光都市である。

豪華なショッピングモールや世界最高の建築物、ナイトスポットなどで知られているほか、ドバイが誇る巨大航空会社、エミレーツ航空が世界各地へ就航しており、ヨーロッパやアフリカへ行く際の中継地にもなるので訪れたことがある人も多いと思う。

 

そんな、観光客を魅了してやまないドバイであるが、あるものが無い。

カジノが無いのである。

カジノは現在130の国と地域にあり、その市場規模は10兆円を超えている。

日本でも、2018年にIR整備法が成立し、カジノを備えた特定複合観光施設としてその存在が認められることとなった。

カジノと言えば、のラスベガスは年間約4200万人(コロナ前)もの旅行者を受け入れており、カジノがいかに観光客を誘客する力のあるコンテンツであることかがわかる。

 

観光推進に力を入れており、すでにゴージャスなリゾートとしてその地位を確立しているドバイが、なぜカジノを持っていないのか。

理由は単純で、UAEイスラム教を国教とする連邦国家だからである。イスラム教ではギャンブルは一切禁じられている。

ことイスラム教に関しては中東経済の要であるサウジアラビアの発言力が強く、サウジが目を光らせている以上、観光・経済推進のためだからといって安易にカジノ導入はできない、ということらしい。

 

とはいえ競馬のドバイワールドカップがあるではないか、と思うところだが、

馬券の販売・購入は禁止されており、優勝馬を当てるゲームとして存在が許されている。日本のパチンコが許されているように、どこの国にも屁理屈を論拠としたギャンブルが存在しているようである。

 

さて、そんなドバイであるが、近年カジノ解禁に向けた動きがあるようだ。

私が驚いたのは、すでに「シーザーズ・パレス」がカジノの無いリゾートホテルをオープンしていたことである。

https://www.caesars.com/dubai/

シーザーズ・パレスといえばラスベガスにある巨大リゾートを運営するアメリカ系のカジノオペレーターであるが、ドバイのシーザーズ・パレスは2018年にオープンしており、今後のカジノ解禁を期待した圧倒的な先行投資といえる。

十分な広さのボールルーム(宴会場)を備えており、カジノ解禁の暁にはどうやらそこをカジノに転用する、ということらしい。

 

また、ラスベガスの雄であるMGMも、2021年にカジノの無いリゾートをオープンするという報道が出ている。(今のところオープンしていないのでコロナで計画を調整中か)

Dubai’s The Island to feature MGM, Bellagio, and The Aria Hotels [Infographic] - TOPHOTELNEWS

 

これまでにも何度かカジノ解禁に向けた機運はあったようで、ドバイの人工島、パーム・ジュメイラにある「アトランティス・ザ・パーム」も、もとはカジノホテルとして計画されたらしく、そう言われるとしっくりくる佇まいである。

 

いずれのリゾートも、ドバイ本土から海によって隔てられた人工島にあり、人工島であるから治外法権が適用されますよ、という理屈の上で解禁される見込みであるようだ。

 

イスラム教圏の中でも最も厳格な国の1つであるサウジは、2019年に観光ビザを解禁し、また近いうちにホテルや免許制での酒解禁の噂もある。

グローバル資本主義経済の中で経済重視に舵を切ったイスラム圏のリーダーの動きをみると、今後ドバイでカジノが解禁されるのもそう遠い未来ではないのではないかと思う。

 

ヨーロッパ、東南アジア双方からのアクセスのしやすさや、すでに魅力的な観光コンテンツや良質なリゾートホテルが多数あることを考えると、ドバイでカジノが解禁になった場合、観光都市として無敵なのではないだろうか。

 

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